Tuesday 6 February 2018

月がおしえてくれたこと


今日は特に月が美しいと思っていたら、特別な夜だと知った。それも150年ぶりの月。前回とだいたい同じ時に建った家から眺めるのも感慨深い。

その日の昼下がり、レコード棚を見ていたら、Beach Boys "Pet SoundsとMy Bloody Valentine "tremolo ep" が目に入り、無性に聴きたくなった。仕事が終わってからゆっくり聴こうと思って、ターンテーブルの近くに置いた。ぼくにとってのベスト「月の曲」が両方のレコードに収められている事に後から気づいて驚いた。

晩ごはんを食べながらNHKラジオを聴いていたら、不定期番組「ムーンライトシャワー」が始まった。今日はこの特別な月に合わせての放送だろう。粋な計らいだ。DJイワサキ氏による昭和的な一人語りとイージーリスニングな選曲がいつも良い。

Chet Bakerによる"My Funny Valentine"が流れた。今宵に聴くとほんとうに月でChetが歌っているかのようだ。そういえば、赤い月形のソファに女の子と楽しそうに座っているジャケットのChetのアルバムもあったっけ。

食後にずいぶんと小さくなった月を確認してから、マイブラの "moon song"を聴いた。"honey power"からの繋がりが好きなので、B面最初から針を落とした。心なしいつもと異なる味が混ざっている。不意に"My Bloody Valentine"  が"My Funny Valentine"を文字っていることに気が付いた。("My Bloody Valentine" という変な名前は、初期メンバーがカナダのB級ホラー映画のタイトルから拝借したらしい。)この関係性に気づくことは不思議と今まで一度も無かった。今日の不思議な時間軸が、僕の頭に何かを送信してくれたのかもしれない。

Beach Boys "Let's Go Away For Awhile"がもう一曲の月ソング。初めて乗った飛行機の窓から雲の上に輝く夜月を見たとき、この曲の音が脳内に再生された。そろそろ一時的に月が完全に消えてしまう時間。曲名さながら、しばらく月がどこかに行ってしまったかのようだ。

特別な月の夜、ぼくは不思議な気づきの巡り合わせに驚いたけど、スーパーブルーブラッドムーンにとってはこれくらいのことは、ごく普通な出来事なのだろうな。

(青柳)