Saturday 8 April 2017

オーディオ開眼のスイッチ


QUAD44プリアンプとQUAD405パワーアンプ。
horaanaでMONOを鳴らしているこのアンプに出会ってからオーディオの楽しさに目覚めた。

数年前までは、音楽はそこそこの音質で聴けたらいいという感じで、レコード・CDなどの音源入手が主な関心事だった。「オーディオの世界に足を踏み入れると怖いぞ。」と先入観を自ら設定してなるべく関わらないようにしてきた。
音楽好きによくあるパターン。

当時居間で使っていたラジカセのデザインが気に入らなくて、何かコンパクトでよい感じのオーディオがないかなと調べ始めた。最初はオールインワンで気軽な物をネットで検索していたが、ひょんなきっかけでHarbeth Monitor 20というコンパクトなグレーのスピーカーの存在を知った。艶消しグレーのBBCスピーカーという業務用チックなモノ感にそそられた。当初の予算からは大幅にオーバーしていたが、中古品を程なく手に入れることが出来た。

このスピーカーに合わせるアンプは何が良いかリサーチした。
イギリスのスピーカーだから英国製のアンプが無難かなと思い、コンパクトなLINN CLASSIK MUSICのホワイトを第一候補にした。デザインも良いし、オールインワンでラジカセのように使える。オーディオ初心者にはもってこいだ。オークションで出品されたが、かなり高額になり諦めることになった。
縁がなかったということは、他をあたった方がよいのかも。

イギリス縛りでアンプを検索しているとQUAD44+405の写真に出会った。
これはイギリスに住んでいた時にクラウチ・エンドのオーディオショップに置いてあったものだ。オーディオらしからぬデザイン、特にボタンの配色がとても印象的だったので憶えていた。記憶のスイッチが押されて、このアンプ以外の選択肢は考えられなくなってしまった。
日本にも結構輸入されていた製品だったのでオークションの出品数は多かった。割と程度のよい44と405を運良く手に入れる事が出来た。

念願のブリテイッシュオーディオセットで最初にビートルズを聴いた。
耳に完全に馴染んでいるはずの楽曲が、新しい音楽となって空間に現れた。
高校生の時に初めてアナログでビートルズを聴いた時以来の衝撃だった。(→以前のブログ
聴いたことが無い音が耳にたくさん飛び込んでくる。音楽が含んでいる情報量の多さに驚いた。今まで大量に聴いてきた音楽は、うわべをすくい取っていただけなのかもしれない。そう思うと、オーディオに無関心であったことが悔やまれた。
はからずしてQUAD44のイエローとレッドのボタンが、僕のオーディオ開眼スイッチとなった。

(青柳)